子供が小さいころは、時間に追われてとにかく品数をそろえることだけにかまけていた食事作り。時間のゆとりができた今は、だしを取る、お湯を沸かす、そんな小さなことを大切に時間をかけて、楽しむゆとりも出てきました。
最近ではお味噌汁のだしは粉末だし、煮物のだしも液体のだしが、豊富に出回っています。でも、だからこそ、昔ながらの鰹節を取り寄せて、鰹を削るなんていう贅沢な時間をもってみるのもすてきではありませんか?
まずは、削り器と鰹節の準備から。
昔使っていた削り器を引っ張り出すのもいいでしょうし、錆(さ)びのある削り器を使うのはあまり、という方は、この際、新調なさってもいいでしょう。今は、昔ながらのカンナ式のほかに、コーヒーミルのように力を入れないでも削ることのできる、回転式削り器なんていうのも出ているんですよ。
私は、削り器はデパートで買ったのですが、最近ではかつお節とセット
で売っていたりします。
●本枯鰹節(ほんがれかつおぶし)ってなに?
次に、主役の鰹節。鰹節の専門店でよく見られる「本枯鰹節(ほんがれかつおぶし)」という言葉。これはどういう意味でしょう? 何度も黴(カビ)付けをして徹底的に乾燥させて作っている鰹節のことを、こう呼びます。いわゆる削り節は、ほとんどの場合、節を煮てそれを乾燥させて作っています。手間暇かけて、作られた本枯鰹節は、香りからまったく違います。節に付いた茶色い粉が本物の証だそうです。
種類もあって大まかに、背節(雄節)・腹節(雌節)があります。
背節は一般的に血合いが少なく、澄んだおだしが出ます。腹節よりも高価な場合が多いです。削りやすいのは、背節です。腹節はちょっと粉になりやすいんです。でも、私はあまり削るのが上手くなくて、背節でもコナっぽくなってしまいます。高価な背節は料亭などでも引っ張りだこ。1本で何万円もするような節もあるそうです。 私がよく買うのは、雄節
●おいしい鰹節は和・洋・中に応用可能
鰹節はだしにするのはもちろん、削り損ねの粉っぽいものは炒(い)ってふりかけに、だしをとった後のかすは煮物に入れて、捨てるところはないくらいに使える存在です。でも、洋風の料理にも合うんですよ。鰹のうまみ成分のグルタミン酸は、トマトも持っているうまみ成分。トマトドレッシングに鰹節を入れるとたいへんおいしくなりますし、中華スープにもちょっと鰹だしを入れると、深みのあるおいしい味になります。
日本一の生産量を誇る鹿児島県にはさつま鰹節協会というところもあり、鰹節の情報がたくさんあります。鰹節を使った栄養ドリンクの紹介なんかもあるんですよ。鰹節文化は、日本の食の基本。ぜひ、基本の贅沢(ぜいたく)を満喫してみたいですね。
■薩摩屋本店
鰹節だけでなく、とろろ昆布やわかめなど、海産物が豊富です。
そういえば一人暮らしをはじめてから、
鰹節を削るなんてことをまったくしなくなっちゃいました。最初、パックに入ったものを食べた時には、なんか物足りないなあ・・・と思っていたのに。
今度、買ってみようと思います。